今日は市議会議員の総選挙の投票日で現在投票終了から10分経過したところだ。
俺はそのうちの7つの投票所の開票をすることになっている。
そろそろ投票箱が届くころだ。

開票所

今回の市議会の議席数は40でそこに60人が立候補している。
そして、今回は間が悪いことに「佐藤」さんが12人「鈴木」さんが3人。
加えて名前が「さとし」という(または読める)人が7人いる。
このような状況では無効票や疑問票が増えることが予想されるので、あらかじめ「はっきりしない票は後回しにして先に開票を終わらせること」と厳命されている。

まずは近いほうの「○×小」の投票所の箱が回ってきた。

箱の鍵を確かめ、一度も開けられてないことを確かめた後投票用紙を出す。
さて最初の一枚目は・・・

ハズレ(残念でした〜 は あ と)

これは無効票だな。
次の紙は・・・

佐藤

どちらの佐藤さんで?
次・・・

さと

これは「さとう」と「さとし」のどっちだ?どっちにしろ無効票だが。

とまあただでさえ投票率が低いというのにまともに判別できるものはそのうちの半数にも満たなかった。
とりあえず無効票はあそこに持っていって疑問票はそこに置いておくか。
○×小の開票結果を集計所に持っていき、帰ってくるとすぐに市民会館の箱が来た。

今度は大丈夫だろうな・・・

フ、フ、゛≠

ギャル文字はどうすればいいんだ?しかもまた苗字だけだし。
これは後で上司に問い合わせてみるか。
それで今度は・・・

佐藤B

俺、もう帰りてぇ・・・

しかしその願いはかなわず、総投票数の実に4割にも及ぶ疑問票と共に開票所の夜はあわただしく過ぎていくのだった。


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